理想を叶える若返り効果のあるアンチエイジングブログ:20-12-15


あたしが生まれて初めて経験したお葬式は、
お母さんのお葬式でした。

お母さんは病院で亡くなりました。
ベッドの横に立つ親父とお姉ちゃん達の後ろに
あたしはぽつんと立っていました。

下のお姉ちゃんが急に大きな声で泣き出したとき、
「あっ、お母さん死んじゃったんだ」と思いました。

あたしはお母さんが入院中、
親父と一緒に何度もお見舞いに行きました。
でも、なかなか病室に入ろうとしませんでした。

あたしはいつも廊下の隅や、
非常階段のおどり場で遊んでいました。
病院のベッドに寝ているお母さんを見るのが
とても恐かったからです。

ある日、あたしは親父に呼ばれ、病室に入っていきました。
お母さんは「リンゴむいてあげようか?」と言いました。

あたしが覚えているお母さんの最後の言葉です。
あたしは「いらない」と言って、
また病室を出て行ってしまいました。

あたしは病院の中を探検しながら、
「大きなお部屋にはたくさんの人がいるのに、
どうしてお母さんは小さいお部屋に一人でいるのかなあ、寂しくないのかなあ」
と思っていました。

今思えば、きっとお母さんは、
淋しかったのだと思います。
あたしが最後までなつかなかったことが…

8月ももうすぐ終わり、
新学期が始まるというのに、
あたしはまだ夏休みの宿題も終わっていません。

それなのに、
黒い服を着た人たちが出たり入ったりと、
家の中はごった返しています。

あたしの居場所がないのには困っていました。
テレビを見ることもできず、部屋の隅で
ちょこんと一人で遊んでいるしかありませんでした。

「かわいそうに、まだ小さいから、お母さんの死がわからないのねぇ…」
という大人達の話し声が聞こえてきました。

あたしは「わかるよ、そんなこと」と
心の中で呟いていました。

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